岐阜薬科大学ナノファイバー創剤学寄附講座では、
電界紡糸(エレクトロスピニング)法による高分子ナノファイバーに着目し、研究を行っています。
医薬品、食品、化粧品などの分野におけるドラッグデリバリーシステム(DDS)や
製剤化プラットフォームとしてナノファイバーを活用し、
産官学連携により研究成果を社会実装することを目指します。
ナノファイバー基剤の探索と開発
医薬品、機能性食品、香粧品などの分野においてナノファイバー基剤として適した高分子(ポリマー)材料の探索と研究開発を行っています。特に生体適合性に優れたポリビニルアルコール(PVA)などの高分子材料から調製したナノファイバーの物理化学的性質を明らかにすることを目指しています。
難水溶性薬物の溶解性改善を目指した
ナノファイバー固体分散体の開発
高分子ナノファイバーに難水溶性薬物を分散させた固体分散体の開発に取り組んでいます。エマルションエレクトロスピニング法や同軸ノズルから調製したコア・シェル型ナノファイバーも活用し、薬物のバイオアベイラビリティを改善できる製剤化プラットフォームの構築を試みています。
https://doi.org/10.1016/j.jddst.2021.102953バイオ医薬品・核酸医薬品など
新しいモダリティに対する
製剤化技術としてのナノファイバー応用
エレクトロスピニング法は熱を使わないマイルドな条件下で液体原料を直接固形化することができるため、バイオ医薬品や核酸医薬品など不安定な化合物に対する製剤化に有効です。バイオ医薬品の徐放製剤や核酸医薬品の細胞内DDSなどに高分子ナノファイバーを応用しています。
ナノファイバーを活用する経粘膜・経皮など
低侵襲DDS製剤の開発
高分子ナノファイバーを適切に加工し、経口や吸入など経粘膜製剤に応用する研究を行っています。また眼組織や皮膚に適用する外用剤としての応用開発も進めています。