TECHNOLOGY

高分子ナノファイバーは直径が数百ナノメートル（サブミクロンサイズ）の繊維で、髪の毛の太さの500分の1程度です。ナノファイバーは医療だけでなく工業用途にも幅広く応用研究がされています。ナノファイバーは直径が小さいため、バルクポリマーと比較して非常に大きい表面積を持っています。ナノファイバーで構成されるシート（マット）は多孔性である一方、機械的特性が向上するなど興味深い物理化学的な特性があります。

一般にナノファイバーの調製法として使われている電界紡糸（エレクトロスピニング）法は、実験室の条件下で液体原料から直接ナノファイバーを連続的に製造することができます。熱を使用することなく、連続的に固形（ファイバー）化が可能な点は、物理化学的に不安定な化合物を取り扱うことが多い医薬品分野などへの適用に有利であると考えています。